ひかり射す君
僕は君に触れたい
指を広げ、がむしゃらに腕を伸べてさ
鋭利な指先は君を傷つけ、
そして世界は僕を憎むだろう
だのに君は血を流さないまま笑むんだ
その残酷な労わりにさらされて、
僕はいたたまれなさに唇を噛む
わがままには自制がない
君が見ている世界が欲しいと叫ぶんだ
おそろいの青と、赤と、緑とが
けど、ひかりってひずんでいくばかりなんだね
触れてみても、傷をつけても
君の愛してる美しさを僕は享けとれないんだね
ならば原初のひかりがだけ、君を射せ
透きとおる清らかにつつまれる君に
さかしらだった指先は触れる方法を見失い
僕は満ち足りないという幸福に満たされる