図らずも、とてもよく似た構図の映画を同日に続けて観てしまった。数十年に渡る生涯すべてをつらぬいた恋。
が、描かれているものはずいぶん違う。
今作のフロレンティーノは狂人である。しかも、完璧な狂人である。穏やかで、愛のために生き、その愛はゆるぎなく、それゆえに狂人である。
覚醒した昏睡、頑迷な恭順、盲目な透徹。異常であるとしか言いようのない彼がそこにいる。彼が愛した女性がいる(もはや彼にとって彼女は女性であるのかひとつのイデアであるのかもわからないけれど)。
が、描かれているものはずいぶん違う。
今作のフロレンティーノは狂人である。しかも、完璧な狂人である。穏やかで、愛のために生き、その愛はゆるぎなく、それゆえに狂人である。
覚醒した昏睡、頑迷な恭順、盲目な透徹。異常であるとしか言いようのない彼がそこにいる。彼が愛した女性がいる(もはや彼にとって彼女は女性であるのかひとつのイデアであるのかもわからないけれど)。