メモ
2014.01.19
 昨日仕事帰りにコミックを4冊買った。最近コミックからはとんと離れているのでこういう買い方は久しぶり。買ったのは手に取った順に
『ビューティフルピープル・パーフェクトワールド 2』(坂井恵理)、
『にえるち』(のばらあいこ)、
『ヨマイヤマイヤのこどもたち』(釣巻和)、
『余命¥20,000,000-』(草野佑)。

 読んだ順にちょこっとずつ話す。




 『ヨマイヤマイヤのこどもたち』は全寮制中高一貫男子校が舞台で、恩田陸さんの『ネバーランド』とか入江亜季さんの『群青学舎』とか思い出した。『ネバーランド』よりファンタジックで『群青学舎』ほどコミカルさはなくて、静かな静かな雰囲気。
 作者さんが『くおんの森』と同一だと読了後に気づいた。『くおんの森』は店頭で試し読みして好きにならなかったのだけど(私は好きなものにはこだわりが強すぎて好きなものをモチーフにした作品や雑貨はめったに好きにならない)(『くおんの森』は本や図書館がメインテーマ)、『ヨマイヤマイヤのこどもたち』はよかった。
 心情描写があんまり踏み込まない感じでそこが物足らなくもあり、登場人物たちの気持ちを読み解きたいという気持ちにさせもする。




 『にえるち』は正妻の娘と浮気相手の息子、2ヶ月差で生まれた異母兄妹の恋。彼らの子供の頃から大人になってからまで、長い時間が流れる。
 主人公の女の子が兄を好き過ぎて無意識に友人も同僚もどうでもいいと感じてて(無意識なので『思ってて』ですらない、無意識にぞんざいにしてるだけ)、この一線なんてもう遠く後ろに見えないくらいまでずんと踏み込んじゃってる感じが好き。今回買った4冊では一番好き。




 『余命¥20,000,000-』は書店で平積みされてるのが最近何度も視界に入って、気になりつつ買わずにいたのを勢いに乗って手にとってみた。
 ゆるやかに死んで行きたい女性とパワハラで会社をやめちゃった青年。
 絵がゆるーい感じで好みでなく、ストーリーもさほどでもなく、続巻が出たら買うかというと多分買わないし「さすが何度も見送ったコミックだなあ」という感じだったのだけど、ところどころすとんと胸に落ちてくるせりふがあったりなどして、ハマる人にはハマるのだろうなと思う。




 『ビューティフルピープル・パーフェクトワールド』は1巻を2年近く前に買って、2巻も買おう買おうと思いつつ先延ばしにしていた。こういうのをすぐさま買わないあたり本当に私のコミックの買い方読み方は変わったと思う。1巻は何度も読み返した。
 21世紀なかば、美容整形が当たり前になった世界で、隅々までメンテナンスを欠かさず美しい人々や、美容整形をあえてしない人や、もろもろの人間を描く。
 1巻が短篇連作形式でありつつ1冊のコミックとして完成されてたので、2巻にはさほど期待するでもなく、ゆったりまたこの世界の人々の物語を読んだ。1巻の方が好きといえば好きだけど、2巻は1巻ほど「きれいに話を落とそう」という感じがせず、「落ち着いたなあ」という感じ。
 「心の穴は体じゃ埋まらない」なんて言いますが、じゃあ「心の穴」なんて大層なもの、埋めてくれる何かや埋める方法なんて果たしてあるんですかね? ないんじゃないすかね? 穴なんて、一生埋まらないままどうにか誤魔化したり目をそらしたりしてるんじゃないですかね? と、このコミックを読んでいると思う。