The Crossing Guard
1995年 アメリカ
監督 : ショーン・ペン
キャスト : ジャック・ニコルソン / デイヴィッド・モース / アンジェリカ・ヒューストン / ロビン・ライト / パイパー・ローリー
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酒酔い運転の車に娘を轢き殺された父親は、娘を轢いた車の運転手が 6 年間の刑期を終えて出所したとき、男を殺すと決めている。カレンダーにバツ印をつけながらその日を待ちわびていた父親は、夜を待って男の家へ忍び込むが、思いもかけぬアクシデントで殺すことができなかった。男は彼に、三日後にまた来ると言い残した。
レンタルショップで衝動的に借りたもの。観るまえに確認してみたらgoo映画では評価が低くてはずしたかな? と思ったけど、私は好きだった。
運転手の男の人物像がとにかく深く、心に染み入ってきて、こんなに思慮深く穏やかな人がいるだろうかとか、けれど彼がこんな風になったのは事故が理由でもあるんだろうとか、いろいろと考え込んでしまう。
一方、死んだ少女の父親は決して善良な人間ではない。娘の死から立ち直れない――というよりも、立ち直ることを拒絶しているようにも見える。
観ながら考えていたのは、罪悪感とは “幸せになってはいけない、笑ってはいけない、楽しんではいけない” と自分を縛り上げていくことなんだ、ということ。そして、その罪悪感を持っているからこそ他人を慈しむ時間を知っている男と、享楽におぼれながら浪費するしか時間に対する方法を知らない父親との対比。
ラストシーンは鮮烈で、映像としてもストーリーとしても、強く残っている。あと、男が語った、少女の最期のことば。なんてことを言うんだろう、って、胸がつまった。