2007年  日本
監督 : 筧昌也
キャスト : 金城武 / 小西真奈美 / 富司純子 / 光石研 / 石田卓也 / 村上淳 / 奥田恵梨華 / 吹越満
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　雨男の死神は、地上での仕事のときいつでも雨に降られている。だから、青空を見たことがない。そんな死神の仕事は、七日間だけ人間と話をしてその人間が死んでもいいか生かしておくか、決めること。黒犬を相棒に、彼はさまざまな人間に出会う。いつもついていないOL、敵討ちを誓うヤクザ、老齢の美容師――。それぞれの人々に、死神は生か死かの判断を下す。

　映画としてだけ見るなら、いまいち入り込めなかったなあ、というのが正直な感想。映像的に違和感のあるシーンが多かったからかも。花の枯れるシーンや人が気絶するシーン、あとは犬のしぐさとか。
　それと、死神たちのやりとりがあまりにも不自然だったからか。人間くさいのに浮世離れした死神像、というのが目新しくてこの映画（というよりも原作小説）のウリなのかもしれないけれど、どうしても馴染めなかった。コメディに傾きがちだった死神像を、ユーモアのラインをどうにか守って演じきった金城武はすごいと思う。

　三つのストーリーで構成されていて全体がそれぞれ微妙にリンクしているのだけど、私は二つめの話が一番好きだった。昔かたぎで融通がきかなくて、そんなヤクザが義理を通す。そういう愚直な一本気は好きだなあと思う。