映画 > 洋画
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
Charlie Wilson's War
2007年  アメリカ
監督 : マイク・ニコルズ
キャスト : トム・ハンクス / ジュリア・ロバーツ / フィリップ・シーモア・ホフマン / エイミー・アダムス
>> goo 映画

 美女ばかりを秘書にそろえたお気楽下院議員のチャーリー。そんな彼がソ連に攻撃を受け続けているアフガニスタンのために予算を倍増させたところ、美貌の富豪ジョアンがアフガニスタンを救えと話を持ちかけてきた――。

 正直なところ、映画として特に残ったものというのはない。この時期に観た実話に基づく戦争関連の映画というと「ハンティング・パーティ」がある。あちらよりはユーモアのセンスも好きだし素直に楽しめたかな、という程度。

 ただ、映画とは離れたところで深くいいものが得られたと思ったのは、当時の実際の映像を見られたこと。もちろん、映画に使われているくらいだから探せばその映像だけを単品で見ることもできるのだろうと思うけど、映画という一連の流れを追ったストーリーのなかのワンシーンとして見たことで、ただ史実の記録としてだけ見るよりもよりリアルに理解できたように思う。
 今まで家族や同胞を一方的に殺され続けてきたアフガンの人々がアメリカに与えられた武器でソ連の爆撃機を打ち落として快哉を叫ぶ映像を見て、素直にその嬉しさに同調した。私は戦争や他者への攻撃を認めることは絶対にしたくないと思っている。けれどこの映画を見て、内実をまったく知らない第三者の立場にいる人間が「戦争はいけないから」という倫理観だけを振りかざすことはできないとも思ってしまった。これはとても大きな価値観の変化。ならどうすればいい、というところにまだ答えは出ていないのだけど。

 映画の感想とは離れてしまったけれど、私としては、あの当時の映像を見られただけでもこの映画一本を観た価値があった。
2008.05.28