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ハプニング
The Happening
2008年  アメリカ
監督 : M・ナイト・シャマラン
キャスト : マーク・ウォールバーグ / ズーイー・デシャネル / ジョン・レグイザモ / スペンサー・ブレスリン / ベティ・バックリー / ヴィクトリア・クラーク / フランク・コリソン
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 全米からミツバチが姿を消した。その現象を始まりとして、人々が次々に自らを死へと追いやりだした。原因の見えない不透明な現実のなかを、必死で逃げ惑う姿をえがくパニック映画。

 シャマラン監督だということを認識して覚悟の上で観にいったので、構えていたほどひどいとは感じなかった。つまり、ひとつの作品として観に行ったら肩透かしをくらうということ。

 恐怖をえがくというのが趣旨なら、原因不明のままに人々が死んでいく、次に死ぬのは自分かも知れない――という状況設定は充分にうまいと思う。
 けれど、その状況をえがき出すだけでは残念ながらストーリーにはならない。どれだけ細密にえがいても、それはあくまでも設定でしかない。設定はストーリーのための副菜であって、どれだけ奇抜で人の心を惹く設定を考え付いても、映画というのは設定を主役に置いたとたんに成り立たなくなってしまう。

 シャマラン監督の作品はいつもそんな感じ。状況設定がものすごく面白いから掴みの力は充分なんだけど、そこで満足してしまってストーリーがすっからかんになってしまっている。設定をうまく活かして物語を書ける人と組めたら、「シックス・センス」を超える作品だって作れそうな気がするのだけど。

 シャマラン映画の設定だけを楽しもうと割り切って観るのなら別だけど、人におすすめはしない。
2008.08.14