The Dark Knight
2008年 アメリカ
監督 : クリストファー・ノーラン
キャスト : クリスチャン・ベール / ヒース・レジャー / アーロン・エッカート / マギー・ギレンホール / ゲイリー・オールドマン / マイケル・ケイン / モーガン・フリーマン
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白塗りの顔と耳まで裂けた真っ赤な口。ゴッサム・シティーに現れたジョーカーは、バットマンにとって最悪の敵となった。バットマンを追い込むために「バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す」と宣言したジョーカーに、ブルースはとうとうバットマンの正体を明かす決意をする。
アニメ・映画もろもろ含めて、バットマンシリーズを観るのはこれが初めて。観に行ったのはスクリーンでゲイリー・オールドマンを見たかったからなのだけど、せめて「バットマン・ビギンズ」くらいは観ておけばよかったと思う。
テーマは光と闇についてのふたつの事実。
ひとつは、まばゆいばかりの強い光はひとたび闇に落ちればどんな闇よりも黒くて深いということ。それを体現しているのが、ブルースがゴッサム・シティの改善の旗印になると期待を寄せる新任検事のデントだ。彼は憎しみのために、光から闇へと転落していく。
その上でえがかれる、バットマンとジョーカーの対決。バットマンは闇のヒーローであり、ジョーカーは白い悪魔だ。二極的すぎるのは確かだけど、この対比は普遍の事実だと思う。そして、人間は必ずその両方のキャラクターを自分の内側に持っている。どんなに強い光の心も闇を排除することはできないし、闇だけで覆われた心もない。これがもうひとつ。
デントは作中でジョーカーによってひどい怪我を負わされるけど、その怪我がとてもアメコミらしいわかりやすさで二面性を表現している。
光ばかりにはなれない、闇ばかりではいられない。そのとき、人はどちらを向いているのか。書き古されたテーマだとは思うけど、自分の頭で考えて出さなければならない答えのひとつだと思う。