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アクロス・ザ・ユニバース
Across the Universe
2007年  アメリカ
監督 : ジュリー・テイモア
キャスト : エヴァン・レイチェル・ウッド / ジム・スタージェス / ジョー・アンダーソン / ディナ・ヒュークス
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 1960年代、実の父に会うためにアメリカへと向かったジュード。父のいる大学で出会ったマックスと意気投合し、彼の妹のルーシーと互いに心惹かれあった。しかし、マックスは徴兵されベトナム戦争へと向かうことに――。

 ビートルズの名盤に乗せて送るミュージカル映画。全体の色使いや映像の作り方がとても面白い。
 私はビートルズをほとんど知らないので、なんの先入観も持たずに観た。こういう見方もこれはこれで良いのだと思う。

 ジュードとルーシーとマックスの3人が主な登場人物だけど、周りの人々もそれぞれに抱えているものがあってそれぞれが主人公になりえる要素を持っている。

 もっとも印象深いダンスシーンは、マックスの徴兵検査。ものすごく恐ろしかった。もちろんホラーのような恐怖ではなく、当時のベトナム戦争という空気感がひしひしと伝わってきて背筋がすっと冷えた。
 そして、もっとも印象深い曲はマックスがジュードに送った曲と、屋上でジュードが歌った歌。あのシーンにあの曲。ずるいほど最高の演出だ。というよりも、あの2曲をああやって使うためにこのストーリーは作られたんじゃないだろうか。
 音楽にはやっぱり、なによりもストレートに心を射抜く力がある。ジュードの歌声を聴きながらそれを思った。ことばでは壊れてしまうなにかを伝える力がある。

 ジュードは作品を作る人なのだけど、彼の苺を使った作品がとても印象深い。ほかにも、画面の隅々まで構成されているから、観れば観るほど発見ができそう。
 公開時に見逃していてリバイバル上映で観たのだけど、劇場のスクリーンで観られて良かった。愛と平和の物語だ。
2008.11.12