2010 年 日本
監督 : 舛成孝二
キャスト : 黒沢ともよ / 生月歩花 / 吉永拓斗 / 松元環季 / 鵜澤正太郎 / 藤原啓治 / 中尾隆聖 / 五十嵐麗
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全校生徒五人の小学校でおこなわれる、毎年恒例の一週間の夏合宿。こどもたちだけの合宿の一日目、学校から逃げ出したうさぎのぴょん吉を探しに裏山ででかけた五人は、けがをした犬を見つけた。実はその犬、惑星プラネット・ワンからやって来たポチという名の宇宙人だったのだ――。
この映画はこてこてのファンタジーだ。月の裏側や何光年もの彼方に広がる宇宙人の世界を駆けまわりながら、地球に育つとある植物を狙う密猟者にこどもたちが対決する。彼らのボスの目的はなんなのか、いわくありげなポチとの関係は?
正直なところ、王道な展開は多いし、各キャラクターはステレオタイプだ。筋をもっと詰めてわかりやすく見せられた展開も多くあったと思う。話の流れがわかりにくくて消化不良な部分もある。
ただ、それはこどもたちの心を描くことに重点を置いた結果なのかなという気がする。じっくり見てるいると、キャラクターそれぞれにしっかり背景があるのだ。それがさりげなく、けれどきちんと描かれている。できる限り想像を広げながら見ると、楽しみが広がる作品なのじゃないかなと思う。素直に笑って、楽しんで、それぞれのキャラクターに心の動きに気持ちを沿わせながら観ればいい。
ほっとするような緑豊かな田舎の風景と彩りたっぷりのきらびやかな宇宙のシーン、それぞれに綺麗な映像で、視覚的にも楽しめる映画だ。
個人的に、インクと康二の関係が良いなあと思う。生まれた場所も生きてきた環境も日々の生活も全部ちがっているのに、「不思議なこと」が大好きで不思議本が愛読書の康二は、そのたったひとつの共通点でインクと仲良くなれてしまう。これってすごく素敵な関係だ。