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「処刑人II」
The Boondock Saints II: All Saints Day
2009 年 アメリカ
監督 : トロイ・ダフィー
キャスト : ショーン・パトリック・フラナリー / ノーマン・リーダス / ビリー・コノリー / ピーター・フォンダ / ジュリー・ベンツ / クリフトン・コリンズ・ Jr.
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 アイルランドの牧場で羊を追う生活を送るコナーとマーフィー、そして兄弟の父であるノア。ボストンで“聖人”の手口を真似て神父がひとり殺された。事件を知ったコナーとマーフィーはボストンへと舞い戻り、犯人を追った――。

 二作目では、前作で登場シーンの少なかったノアがキーとなっていて、彼の過去も明らかになる。
 個人的には、兄弟よりもノアが主役の映画に思えてしまった。ロシアンルーレットのシーンでのノアはたまらなくクールだ。そもそも一作目の時点で、三人が並んで立つと兄弟よりもノアの方がずっと格好よく見えてしまっていたのだ。そんな私にはなおさらだった。

 作中時間で八年もの歳月が過ぎていることを思うとふたりの性格がもうちょっと落ち着いていてもよかったのじゃないかなと思うのだけど、一作目と変わらない悪ふざけっぷり。コナーの映画好きも相変わらず。
 けれどふたりがこの性格だからこそ映画にスピード感が出て、さらにノアのまとう静寂の雰囲気との対比が映画に味わいと緩急を与えるのかもしれない。

 「映画の続編は駄作」というジンクスを裏切って充分に楽しませてもらった。一作目を踏襲したエピソードやシーンが多いのは嬉しいファンサービスだ。
 気になるのは、いくつかの謎が残ったままだというところ。特に、ふたりの手口を真似て神父を殺した実行犯の男に関してははっきりしない部分が多い。三作目が制作される伏線だったらいいなと、密かに期待しておく。
2010.06.12