Shutter Island
2010年 アメリカ
監督 : マーティン・スコセッシ
キャスト : レオナルド・ディカプリオ / マーク・ラファロ / ベン・キングズレー / ミシェル・ウィリアムズ / エミリー・モーティマー / パトリシア・クラークソン
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ひとりの女性患者が姿を消した。事件捜査のため、連邦保安官のテディは相棒のチャックと共に孤島に建つ犯罪者用精神病院へ向かった。捜査は難航し、テディは自らのトラウマに悩まされながら真実を追い求める。
テディとチャックが訪れた孤島の精神病院に収容されているのは犯罪者ばかりだ。心を病み罪を犯した人々を救うための病院だと院長は語る。そんな特異な環境のなかで起きた失踪事件を解決するためテディはこの島を訪れた。
逃げ出しようもない密室から消えた女性患者の行方を求めてテディは院長をはじめとする医療スタッフたちや、女性とかかわりのあった患者たちに聞き込みをしていく。
けれど、精神を病んだ人々の語る言葉のどこまでが事実でどこからが虚構なのか、判断するすべはどこにもない。誰がまっとうで誰が異常なのかは誰にも分からないのだ。
それでもテディはがむしゃらに女性の行方と精神病院の謎を追い続ける。
テディの心にはふたつの大きな傷がある。従軍時に目撃したナチスの収容所の惨劇と、妻の死だ。放火魔により自宅アパートを焼かれ妻が死んだ事件が、テディがこの失踪事件を調査する強い動機となっている。
ふたつのトラウマのフラッシュバックに度々悩まされながら、テディは次第に真実に近づいていく。その時に彼が見るもの、この映画が最後に提示するものは希望ではない。この映画では誰も救われない。
深く語るとネタバレになってしまう。ただ、映画として完成度の高い良作だと思う。これは深い悲しみの物語だ。苦しい物語だったけれど、良い映画を観た。