メモ
2007.05.14
 今、「フォア・フォーズの素数」を読んでいます。かなり前に買ってあったのを、ようやく読み出しました。

 13篇の短編から成っているのですが、今は最後の1編を読んでいるところ。予想していたよりもずっと心動かされる小説で、私にとってかなり大きな存在となりそうです。
 竹本健治というと「匣の中の失楽」を高校生のころ、図書室で借りて読んだことがあります。こちらに関しては正直なところ、構成の奇抜さ以外には特に印象に残ることはなかったのです。だからこそ、「フォア・フォーズの素数」にこんなにも心惹かれていることが、不思議でもあります。
 人の感情をあまりにも理性的に描く、そのことに寂しささえ感じさせられる。今までに読んだことのないタイプの物語です。