メモ
2007.08.09
「ルール」を読みました。戦争小説です。なにを言えばわからないくらいに、重量のある小説でした。

 人は、ルールがないと生きていけない。それなりの規律にしばられていなければ、人は人らしい生活を営めない。けれど、ルールを破らねば生きられない時代が、場所があったということ。それをまざまざと見せつけられる。
 読み終えて感じたのは、途方もない徒労感。けっして報われない労力を払い続けるというのは、そしてそれから逃れるすべがないというのは、なんて残酷なことなんだろう。
 考えたのは、私が知っている戦争の光景というのはすべて“戦時中”であり、“戦争”ではなかったのではないかということ。

 そうそう気軽に手は出せそうもありませんが、古処さんの小説は他にも読みたいと思います。

 ところで、読んだことのない作者の本を一気に読む、というのを一旦おやすみします。このまま他の本を読んでも絶対に「ルール」に気持ちがひきずられてしまうと思うので、「キノの旅」でも読みながら「ルール」を消化します。正直なところ、「ルール」の世界から逃避したい、という気持ちもあります。