メモ
2007.09.29
 遅くなってしまいましたが、「夏目友人帳」を読みました。おすすめ、ありがとうございます。
 まずは一冊、と思って一巻だけ買ってみたのですが、すぐに既刊本をすべて買ってしまいました。おもしろかったです。アマゾンのレビューでも言われているとおり、今市子さんの「百鬼夜行抄」だとか漆原友紀さんの「蟲師」を思わせる設定です。私は、冒頭のシーンでCLAMPの「XXXHOLiC」を連想したりもしました。

 けれど、流れている空気はずいぶんちがうように感じました。その一番の理由は、主人公である夏目にあるようです。どのコミックの主人公も人ではないものが見えるひとびとなのですが、それぞれにその境遇をなげいていたり、あくまで人外のものとして距離を置こうとしていたりします。
 対して、夏目はこの物語のなかで、妖(あやかし)とふれあったり、助けたり、愛したりするようになります。人に対しても妖に対しても、わけへだてがないのです。そのためなのか、妖に対して恐ろしさというものをほとんど感じません。

 緑川さんのコメントから、とても大切につくりあげていることがつたわってきます。一ページ一ページを丁寧に読み進めてしまいました。こういう創作をしてくれるひとがいるというのがとてもうれしいです。5巻の発行が楽しみです。緑川さんのほかのコミックも、読んでみようかなと思っています。
 あと、ニャンコ先生の本来の姿が美しくって大好きです。しなやかで強い獣には、いつでも心動かされます。猫好きとしては、少年と猫という組み合わせもつぼをつかれました。