メモ
2007.11.28
 十日間かけて、「愛するということ」を読了しました。1956年にドイツの精神分析学者(という分類でいいのか自信がないけれど)であるエーリッヒ・フロムが書いた本です。
 愛は技術であるという立場から、親子愛や兄弟愛、異性愛や神への愛を理論的に解体した上で、なぜ人は愛するのか、人を愛する下地はどう培うかを書いています。

 正直な話、自分にあてはめながら読んでいくと、とにかくしんどかった。フロムは、倒錯的な愛(サド・マゾや同性愛などなど)を、異性愛の試みの失敗であるとして一蹴します。確かに正しい。正しいけれど、だからしんどい。
 よくある恋愛指南書というのは恋人がいないときに読むと寂しくなって落ち込むものだと思うのですが、「愛するということ」は、愛する人がいると自分が信じている状態で読む方がしんどい思いをすると思います。自分が持っている(と信じている)愛情への自信が揺らぎます。
 恋人同士でこの本を読み合える人たちがいたら、すごい。

 これは大学の課題で出された本で、これから感想文を書かなければいけません。
 それが終わったら、読み途中の「オキーフの恋人 オズワルドの追憶」に戻ります。実は、「愛するということ」を読んでいる途中、あまりにしんどくなって「オキーフの恋人 オズワルドの追憶」をチェーサーにして平行読みをしていました。
 平行読みなんてしたのは小学生以来です。