九日間かけて、「ラピスラズリ」を読了しました。おすすめ、ありがとうございました。
丹念に、一文一文をかみしめながら読みたくなる物語でした。五つの作品からなる連作長篇ですが、一読しただけの今はまだそれぞれの物語を、そのつながりを消化しきれていません。
決してきらびやかではない、じっとりとした灯りを持った文体で、どうしてもさらさらと読み進めることはできず、ずいぶん時間をかけました。まず一文を読んで、情景を思い浮かべて、もう一度読み返す、そんな読み方をしていました。
落ち葉のなかに隠蔽される人々、痘瘡、ゴースト、主人達と使用人の対立関係。陰惨と言っても過言ではない舞台の上で、完璧な三人称で語られる物語。
それらに対して、感想をことばにすることがどうしてもできません。ただ、私は読み始めたときからずっと、闇で終わる物語だと思っていました。冬が舞台の物語だからかもしれません。けれど、決して闇だけの物語ではない、と、読み終わった今、確かに言えます。
今までしたことはありませんでしたが、帯にあった「人形と冬眠者と聖フランチェスコの物語」というコピーを、ここに引用します。とても正しく、この本を表していると思います。
とても贅沢な本を、読んだと思います。本という世界の、今まで知ることのなかった新たな一隅を、また知りました。おすすめ頂かなければ、存在すら知ることのなかった本だと思います。改めて、ありがとうございました。
丹念に、一文一文をかみしめながら読みたくなる物語でした。五つの作品からなる連作長篇ですが、一読しただけの今はまだそれぞれの物語を、そのつながりを消化しきれていません。
決してきらびやかではない、じっとりとした灯りを持った文体で、どうしてもさらさらと読み進めることはできず、ずいぶん時間をかけました。まず一文を読んで、情景を思い浮かべて、もう一度読み返す、そんな読み方をしていました。
落ち葉のなかに隠蔽される人々、痘瘡、ゴースト、主人達と使用人の対立関係。陰惨と言っても過言ではない舞台の上で、完璧な三人称で語られる物語。
それらに対して、感想をことばにすることがどうしてもできません。ただ、私は読み始めたときからずっと、闇で終わる物語だと思っていました。冬が舞台の物語だからかもしれません。けれど、決して闇だけの物語ではない、と、読み終わった今、確かに言えます。
今までしたことはありませんでしたが、帯にあった「人形と冬眠者と聖フランチェスコの物語」というコピーを、ここに引用します。とても正しく、この本を表していると思います。
とても贅沢な本を、読んだと思います。本という世界の、今まで知ることのなかった新たな一隅を、また知りました。おすすめ頂かなければ、存在すら知ることのなかった本だと思います。改めて、ありがとうございました。