メモ
2008.03.14
 「武士道」、ようやく読み終わりました。岩波文庫のなかではわりと読みやすい方だと思うのですが、きちんと読み下すにはやっぱり時間がかかりました。それでも、まだまだ理解にはほど遠いところにいる気はします。

 たぶん、決して、武士道の実践的な部分を説明した本、というわけではないのだと思う。模範的で、害のない(と言ってしまってもいい)面だけに光を当てているのではないかな、という感じ。それは、血なまぐさい部分が見えてこないから。理想化、あるいは美化されているといってもいい。
 そう感じるのは、現代が武士道に対して抱いている「古き善きものである」という考え方に、私が否定感を持っているからでもあると思う。それもそもそも、古き善きものという考え方自体が懐古趣味でしかないよなぁ、というところから来ているのですが。いい悪いはさておいて、真実や事実ではありえないよなぁ、と。
 良くも悪くも、廃れゆくものは美化される、ということな気もします。

 ただ、理想化されているということは、それを自分の目標や指針のひとつに置くことができる、ということでもあると思う。
 日本に武士と呼ばれる人々がいて、彼らの所作言動が大衆に影響した、というところはおそらく事実なのではないかな。日本人が持つ日本人らしさの根っこのひとつに武士道があるというなら、それをこうやって読んでみるのは、やっぱり面白い。

 さて、ようやく、推薦でおすすめいただいていた本を読む時間ができました。
 まずは、「ムーン・パレス」を読んでみます。