メモ
2009.02.10
 おすすめいただいていた「パイドン」、読了しました。おすすめありがとうございました。岩波文庫の岩田靖夫訳で読んでみました。

 ソクラテスが毒を飲む前に教え子たち交わした会話という設定で語られる、魂に関する対話篇。魂は不死不滅の存在であり死とは肉体からの解放である、というのが主な対話の内容。
 私は哲学にはまったく詳しくないけれど、とても平易な言葉で書かれているので十分に理解できる。哲学を勉強している人にとってはもちろん、そうでなくても読み物として楽しめる本だと思う。
 ソクラテスの言葉を書いてある通りに読んでいると現代人には受け入れがたい話ばかりだけど(魂の不死性や輪廻転生の概念など)、現代にも通じる部分をうまく抽出して噛み砕きながら自分なりに読み込むことができれば、興味深い部分がいくつか登場する。
 いくつかなされる教え子を納得させるための証明のなかで、105Aからの「魂の不死」の証明が一番印象深い。とても綺麗にまとまっている。