アメリカのフォトジャーナリズム雑誌「LIFE」に、ネガ管理の職で携わるウォルター。ウォルターには“ぼんやり”のくせがあり、日常生活のなかでしばしばドラマティックかつ荒唐無稽な空想にふけり、周りの声が聞えなくなってしまう。ほのかに心を寄せる同僚に声をかけることもできず、奔放な妹に振り回され、数々の空想の10分の1も実現できない日々。
ウォルターの空想は本当に荒唐無稽としか言いようがないもので、重ねれば重ねるほど、我に返った時に現実の自分との落差にため息をついてしまう。
そのウォルターに訪れた転機はLIFEのオンライン化、そしてそれに伴って発行されるLIFE最終号の表紙写真。ウォルターを信頼する写真家ショーンから、最終号の表紙に使うようにと届けられた一枚のネガが、なぜか見つからない。ネガの所在を問うべく、世界を巡るショーンを追って、ウォルターはアメリカを飛び出し空想ではない現実の世界で足を踏み出す。
ウォルターの空想は荒唐無稽だけど、映画内で描かれるウォルターが足を踏み出した現実もまた、実際には起こり得ないようなことに満ちている。でも、それでいいのだ。映画が描くべきは、それこそ空想の世界なのだと思う。現実では起こらないことを描けるから、映画には価値があるのだ。
映画の中心を真っ直ぐな大河のように流れるのは、LIFEの信条だ。
このスローガンを持つ人生がどんなものか。それを描いたのがこの映画だ。
この映画では、ウォルターがこんな人生を送るのに力を貸してくれたものとして、背中を押してくれる誰かの一言、自分の「やりたい」という気持ちをごまかさないだけの熱を持った衝動、自分を信じてくれる誰かの視線などが描かれる。
何があれば世界に触れながら冒険心ある人生を送れるか、それは人によって違うはず。その無数の人生のかたちのひとつが、少しのファンタジックさと共にこの映画では描かれる。
『LIFE!』はとてもクリーンな映画だ。希望と喜び、そしてLIFEへの尊敬にあふれている。黒いもののない映画だけれど、困難である「人生」というものを描く映画なのだから、これくらい希望にあふれていていいと思うのだ。
ウォルターの空想は本当に荒唐無稽としか言いようがないもので、重ねれば重ねるほど、我に返った時に現実の自分との落差にため息をついてしまう。
そのウォルターに訪れた転機はLIFEのオンライン化、そしてそれに伴って発行されるLIFE最終号の表紙写真。ウォルターを信頼する写真家ショーンから、最終号の表紙に使うようにと届けられた一枚のネガが、なぜか見つからない。ネガの所在を問うべく、世界を巡るショーンを追って、ウォルターはアメリカを飛び出し空想ではない現実の世界で足を踏み出す。
ウォルターの空想は荒唐無稽だけど、映画内で描かれるウォルターが足を踏み出した現実もまた、実際には起こり得ないようなことに満ちている。でも、それでいいのだ。映画が描くべきは、それこそ空想の世界なのだと思う。現実では起こらないことを描けるから、映画には価値があるのだ。
映画の中心を真っ直ぐな大河のように流れるのは、LIFEの信条だ。
To see the world,
things dangerous to come to,
to see behind walls,
to draw closer,
to find each other
and to feel.
That is the purpose of life.
(世界を見よう、危険でも立ち向かおう、壁の後ろを見よう、近づいていこう、お互いを見出し、そして感じよう。
それこそが人生の目的だ。)
このスローガンを持つ人生がどんなものか。それを描いたのがこの映画だ。
この映画では、ウォルターがこんな人生を送るのに力を貸してくれたものとして、背中を押してくれる誰かの一言、自分の「やりたい」という気持ちをごまかさないだけの熱を持った衝動、自分を信じてくれる誰かの視線などが描かれる。
何があれば世界に触れながら冒険心ある人生を送れるか、それは人によって違うはず。その無数の人生のかたちのひとつが、少しのファンタジックさと共にこの映画では描かれる。
『LIFE!』はとてもクリーンな映画だ。希望と喜び、そしてLIFEへの尊敬にあふれている。黒いもののない映画だけれど、困難である「人生」というものを描く映画なのだから、これくらい希望にあふれていていいと思うのだ。
2013年 | アメリカ | 114分
原題:The Secret Life of Walter Mitty
監督:ベン・スティラー
キャスト:ベン・スティラー、クリステン・ウィグ、ショーン・ペン
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