一昨日、『
ザ・ファイター』、『ザ・ライト −エクソシストの真実−』、『ランウェイ☆ビート』と三本連続で観てきました。
『ザ・ライト』は『
羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスが主演ということで気になって。
ごく正直に言うと、何を言いたいのかよくわからない映画だったなあ、と思う。伏線の張り方、登場人物の気持ちの動き、話の流れ、どれを取ってもいまいちわかりづらい。逆に、決着に関しては「まあそれしかあり得ないだろうな」と考えていた通りの結末。
特に後半の話運びがどんどん尻すぼみになってしまっていた感がある。前半部分はごく普通の映画として楽しめていたのだけど。
実話を元にした話ということだけど、直前に同じ実話ベースの名作『ザ・ファイター』を観ていたせいもあってか、実話を元ネタに創作をしたかったのか、実話をありのままに話したかったのか、どちらつかずの印象になってしまった。前者なら練りこみが足りないし、後者なら演出過多。特にラストのほうの悪魔憑きのシーンはちょっとやり過ぎの感が。
アンソニー・ホプキンスがいる時といない時とで画面の緊張感の差が激しい、というのは、さすがに私の欲目かもしれないけれど。
そして、『ランウェイ☆ビート』。
正直に言って、映画としては駄作だと思う。俳優の(登場人物の、ではない)アップシーンばかりのカメラワークに、時間の流れや人物の関係が掴みづらい脚本。所々いいなと思える画面はあるのだけど、ほとんどのシーンは面白みのない映像だった。
ただ、お話としては良いものだったと思う。クラスメイトの前では笑顔を絶やさない飄々としたビートが、父や恋人の前ではどこか弱さや激しさをのぞかせる。誰にでもある二面性なのだけど、それがクラスメイトに気持ちをぶつけられていくなかで、少しずつ混ざり合っていく。
青春ものは基本的に苦手だけど、それでもやっぱり、高校生という二度とない時間を描いたものにはどこか心が引っ張られる。これ、もっといい映画にもできただろうに、本当にもったいない。
メインキャラクターの溝呂木美糸を演じた瀬戸康史さんの笑顔が印象的。このキャスティングがなかったら「お話はいいよね」と思うところまですら行かなかったかもしれない。
原作は原田マハさんの小説ということで、もし文体が性に合いそうだったら読んでみようかなと思う。