小川洋子の『海』をおすすめいただき、ありがとうございます。実は、ずっと気になっていた本だったりします。
読み始めるまではだいぶ時間がかかってしまいますが、楽しみに読ませていただきますね。
推薦で、おすすめありがとうございます。今日はちょうどバイトで出かけていたので帰りに書店に寄ってみたのですが、残念ながら在庫がなく購入できず。ですが、いずれにしろ読み出せるのはしばらく先になると思うので、また機会を見て買ってこようと思います。
4月になると大学で本格的に卒業研究が始まるので、これから先、本をおすすめいただいてから読み始めるまでに数ヶ月単位のお時間をいただくことが多くなると思います。これまでも時間がかかることは多かったですが、これまで以上にスローペースになってしまいそうです。どうかご了承くださいませ。
今はルミネカードが10%オフセール中なので、本をいろいろ買い込んでいます。今回のセールではなるべく買わないで済ませるつもりだったのですが (積読本がたまりにたまっているので)、結局気づけばたくさん買ってしまいました。
とりあえず、緑川ゆきさんの既刊コミックスをすべて購入できたのが嬉しいです。『夏目友人帳』と『あかく咲く声』、『蛍火の杜へ』しか持っていなかったので。
沙々雪で『夏目友人帳』をおすすめいただかなかったら読むことのない漫画家さんだったと思います。あらためて、おすすめありがとうございました。
まだ読みきってないので、今夜は読み終えてから寝ようかなと思います。
大学の課題の本を読まないといけないのですが、なんだかちっとも読み進まないので「13階段」と「ウォーレスの人魚」で息抜きです。やっぱり私は小説が戻っていく場所なんだなぁ、と思います。読んでいて一番楽に息ができる感じ。だからこそ、小説以外のものを読むのも面白いんですけどね。
「幽霊人命救助隊」の感想ですでに言ったことだけど、高野さんは重いテーマをエンターテインメント小説に落とし込むのがうまい。バランス感覚で切り抜けているというよりは、きちんと計算して見せ方をコントロールした上で書いている感じがする。
「幽霊人命救助隊」では自殺を、「13階段」では死刑制度を扱っている。どちらも命にかかわるものだ。おいそれと手を出したら大きなしっぺ返しをくらうようなテーマだと思う。
重いテーマを、読者に大ダメージを与えることを理解した上で重く書く作家がいる。私はそういう作家が好きだ。ずっしりとした量感のある小説ばかり読みたくなるときは多い。そして、その反動で軽い小説を馬鹿にしがちな傾向がある。
けれどだからこそ、重いテーマを読者にダメージを与えずに書くというのが大切なことだということを忘れたくない。自殺や死刑制度というテーマをエンターテインメントの世界に落とし込むというのは、不謹慎だととらえる人もいるのかもしれない。けれど、作者自身が深く考えているのでなければここまで後に残る小説にはならないと思うのだ。重い小説だけが良い小説ではない。これは忘れたくない。
そして、岩井俊二の「ウォーレスの人魚」。
私にとって岩井俊二はあくまでも映画監督であって作家ではない。たぶん岩井俊二本人にとってもそうだろうと思う。だから、作家の作品としては読まなかった。作家の書いたものとして読めば文章の綺麗さやことばの選び方にまで注意が向くし、そこに違和感を覚えてしまえばそれは大きなマイナス点になる。けれど、この本に関してはただストーリーだけを追っていた。
とはいえ、映画監督か作家かというところをそれほど意識しなくても自然とストーリーに引き込まれていたかもしれない。先へ先へと読み進めずにはいられない魔力のようなものがある本だった。
人魚を知らない人はいない。同時に知っている人間もいない。アンデルセンの人魚姫や半魚人の伝説を知らないという人はいないだろうし、人魚の生態を知っているという人だっていないだろう。なぜなら人魚は実在しないからだ。
では、その人魚にリアリティを生み出すにはどうしたらいいだろう? 読者を興ざめさせないほどの力強さで人魚に実在感を与えるには、現実の学説や実在の生物の生態を調べ上げ、人魚という空想の存在に肉付けしていくしかない。岩井俊二は、人魚という架空の生き物を実在の生物の域に限りなく近づけた。「もしかしたらこの小説のように、どこかに人魚はいるのかもしれない」。ちょっと空想好きなタイプならそう思いたくなるだけのリアリティがある。
岩井俊二の映画にはグロテスクなものもえげつないものもぽんぽん現れる。そういうものを読み手の目前にはっきりと持ってくる岩井俊二でなければ、ここまで人魚に生身の肉体を与えることはできなかっただろうと思う。
生殖・妊娠・出産という一連の流れは原始的かつ巨大なタブーのひとつだと思うのだけど、岩井俊二はずかずかとそこへ踏み込んでいく。この気分が悪くなるほどの生々しさが、私が岩井俊二のつくる世界に惹かれてやまない理由でもある。
ふつうの小説に食傷気味になって、荒削りでもいいからひとつの世界に思い切り没頭したいと感じたとき、読んでみてもらいたい。
ご無沙汰していました。
今は、おすすめいただいている「善なるもの一なるもの」を一時中断して、大学の課題図書を読んでいます。申し訳ないですが、課題図書は期限付きなので先に読ませてください。
「善なるもの一なるもの」、難しいですね…! 久しぶりに、1ページ読み進めるにも苦労するような本を読みました。これって哲学の基礎知識があった方が読みやすかったりするんでしょうか。
そして、「夜は短し歩けよ乙女」をおすすめいただきありがとうございます。
タイトルと表紙のかわいさに、ハードカバーのころから気になっていました。最近文庫化されましたね。時間はかかると思いますが、楽しみに読ませていただきます。
おすすめいただいていた「パイドン」、読了しました。おすすめありがとうございました。岩波文庫の岩田靖夫訳で読んでみました。
ソクラテスが毒を飲む前に教え子たち交わした会話という設定で語られる、魂に関する対話篇。魂は不死不滅の存在であり死とは肉体からの解放である、というのが主な対話の内容。
私は哲学にはまったく詳しくないけれど、とても平易な言葉で書かれているので十分に理解できる。哲学を勉強している人にとってはもちろん、そうでなくても読み物として楽しめる本だと思う。
ソクラテスの言葉を書いてある通りに読んでいると現代人には受け入れがたい話ばかりだけど(魂の不死性や輪廻転生の概念など)、現代にも通じる部分をうまく抽出して噛み砕きながら自分なりに読み込むことができれば、興味深い部分がいくつか登場する。
いくつかなされる教え子を納得させるための証明のなかで、105Aからの「魂の不死」の証明が一番印象深い。とても綺麗にまとまっている。