2013年に観た映画のなかから特に印象的だったものを10本ピックアップしました。
明確な順位付けをしたわけではありませんが、上の方がより存在の大きな映画です。
番号が ピンク のものはフィクション、緑 のものはドキュメンタリーです。
01『大津波のあとに』
2013年に観た映画は31作。いまいち時間を作れず、本数はかなり減ってしまいました。昨年も同じことを言っていますが、年に50本くらいは観られたらなあと思います。
ただ、今年は『大津波のあとに』がきっかけになり、ドキュメンタリー映画を観始めることができた年でした。また、渋谷にあるアップリンクというこだわりの深い映画館に行き始めたことで、ここのところ停滞気味だった観る映画の幅がずいぶん変化しました。そして、マイナーな映画に進んだ反動でシネコン系映画から離れていってしまいそうになるところを、『インターミッション』の劇中のせりふ「映画って、なぁーんでもありなのよ」の一言が引き留めてくれました。
王道もマニアックもエンターテインメントもドキュメンタリーも、何もかもを引き受ける幅の広さが映画の魅力だと思うので、それを見失わずにいられたのはありがたいことです。映画のおかげで映画により深く関われるという、嬉しい出会いに素晴らしい配置で恵まれました。
上に挙げた以外に記憶に残っている映画は、『緑子/MIDORI-KO』、『マイク・ミルズのうつの話』、『世界が食べられなくなる日』、『INNERVISION インナーヴィジョン』、『クローサー・トゥ・ザ・エッジ マン島TTライダー』、『藁の楯 わらのたて』、『フタバから遠く離れて』、『3.11 日常』、『世界にひとつのプレイブック』など。
(こうして振り返るとアップリンクで観た映画が本当に多いです)
2014年は年間50本をきちんと意識して時間を作っていきたいと思います。
明確な順位付けをしたわけではありませんが、上の方がより存在の大きな映画です。
番号が ピンク のものはフィクション、緑 のものはドキュメンタリーです。
01『大津波のあとに』
森元監督が3.11の震災の12日後に被災地へ行き、撮影した映像。BGMもナレーションもなく、かつて街だった場所とそこにいた人たちが映される。観ている最中ものすごく印象的だった、風の音と、映された人々の表情がまだはっきりと残っている。遮るもののない吹きさらしの土地とはこんなに風の音がするものなのか、2週間というのは希望を持つにも絶望するにも短すぎる、しかし呆然としているだけでは過ごせない時間なのだということを映像が語っていた。
02『インターミッション』震災の影響で昨年3月に閉館した映画館「銀座シネパトス」。この映画館を舞台に、「閉館直前の映画館と支配人、そしてそこを訪れる人々」の映画が撮られ、上映された。スクリーンに、自分が今まさに座っている劇場が映される面白さ。支配人クミコの放った「映画って、なぁーんでもありなのよ」という一言は今も決して忘れない。
03『コレラの時代の愛』恋した女性が他の男に娶られ、老い、そして夫を亡くすまで、51年9ヶ月4日間待ち続けたフロレンティーノ・アリーサ。どう考えても狂気のさたなのに、フロレンティーノの愛は純愛でもある。気の遠くなるような一作。
04『バベル』モロッコ、アメリカ、日本、メキシコ。4つの国が交差し回ってゆく。かつてのその傲慢さで言語を分かたれた人類という寓話が現代で語られる。イニャリトゥ監督の映画とはつくづく相性が良いと実感した。
05『クロッシング』ごく一般的な北朝鮮国民が行う脱北を描いた映画。知識がないのでどこまで現実に忠実なものかわからないけれど、北朝鮮における家族の姿のひとつの可能性として覚えていようと思う。
06『ノーコメント by ゲンスブール』セルジュ・ゲンスブールの映像、声、語りなどがふんだんに振りまかれたドキュメンタリー。ジェーン・バーキンが好きなのに、ただCDを聴くだけで、ゲンスブールの名前はこの映画で初めて知った。初めてゲンスブールの歌声を聴いた中学生から、きちんと出会うまでずいぶん時間をかけてしまった。
07『タリウム少女の毒殺日記』2005年に女子高生が自分の母親にタリウムを盛り毒殺しようとした。その事件をモチーフに撮影された映画。実験的でとてもユニーク。人によって見方が大きく変わる映画だと思うのだけど、個人的には主人公のタリウム少女に共感しながら観ていた。
08『よみがえりのレシピ』その土地でしか育たない「在来作物」。大量生産大量消費の時代に、病気に強く栽培が容易な改良種ばかりが育てられ姿を消していった在来作物を改めて見直す。種を継いできた農家と、在来作物の独特の味や食感を生かす調理を行うレストラン。食べる物が自分のすべてを作るのだと考えるきっかけをもらった。
09『マイ・マザー』「母を愛している。会話もできる。でも、彼女の息子であることはできない。」という主人公の少年の独白から始まる母と息子の映画。痛々しく、苦しく、可笑しみさえ生まれてしまう悲しいストーリー。脚本・主演も務めた監督グザヴィエ・ドランは今作が初監督作品であり、当時彼は若干19歳だった。たった19歳だったのに、というより、まだ19歳だったからこそ撮れた映画だろうと思う。
10『ストリングス〜愛と絆の旅路〜』デンマーク映画を庵野監督が日本向けに脚色したドール・ムービー。天から垂れた糸につながれたマリオネットが暮らす世界を舞台に、2つの国の確執を描く。唯一無二の世界が構築され、その世界観を追っていくだけでも楽しめる。
2013年に観た映画は31作。いまいち時間を作れず、本数はかなり減ってしまいました。昨年も同じことを言っていますが、年に50本くらいは観られたらなあと思います。
ただ、今年は『大津波のあとに』がきっかけになり、ドキュメンタリー映画を観始めることができた年でした。また、渋谷にあるアップリンクというこだわりの深い映画館に行き始めたことで、ここのところ停滞気味だった観る映画の幅がずいぶん変化しました。そして、マイナーな映画に進んだ反動でシネコン系映画から離れていってしまいそうになるところを、『インターミッション』の劇中のせりふ「映画って、なぁーんでもありなのよ」の一言が引き留めてくれました。
王道もマニアックもエンターテインメントもドキュメンタリーも、何もかもを引き受ける幅の広さが映画の魅力だと思うので、それを見失わずにいられたのはありがたいことです。映画のおかげで映画により深く関われるという、嬉しい出会いに素晴らしい配置で恵まれました。
上に挙げた以外に記憶に残っている映画は、『緑子/MIDORI-KO』、『マイク・ミルズのうつの話』、『世界が食べられなくなる日』、『INNERVISION インナーヴィジョン』、『クローサー・トゥ・ザ・エッジ マン島TTライダー』、『藁の楯 わらのたて』、『フタバから遠く離れて』、『3.11 日常』、『世界にひとつのプレイブック』など。
(こうして振り返るとアップリンクで観た映画が本当に多いです)
2014年は年間50本をきちんと意識して時間を作っていきたいと思います。